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コラム科  月曜に吠えろ!
 本邦初! こんなレース回顧みたことない

 週1回、月曜日掲載、レース後に服用

 のめりこみすぎにご注意ください


 競馬雑誌『優駿』『サラブレ』等で活躍する山河拓也の異色コラム。その週の時事ネタとともにレースを振り返るというひと粒で二度おいしい、今までにない形のレース回顧だ。馬券が当たった人も、はずれた人も……月曜日の楽しみがひとつ増えるはず。

 一見、何の関係もない時事ネタとレース回顧。それが見事に融合していく文章は、まさに“山河ワールド”の真骨頂。軽妙な文体の中に競馬に対する真摯な姿勢が見え隠れするところも山河さんらしさです。って、あ〜うまく説明できない。とにかく一度読んだらきっとハマります。単なるレース回顧に飽き足らないアナタにおすすめ。



K-WAVE
月曜に吠えろ!
寝ても覚めても馬ばかり
競馬激辛放談
Jockey Paradise
JOCKEY'S ROOM
山河拓也【月曜に吠えろ!】
筆者プロフィール>>

第157
 大阪で家族3人を18歳長男が殺傷(11月1日)
  〜 お祖母さまは魔女 〜


 大学1年生の男が、父と母と弟を刃物で刺した。母は死亡、あとのふたりも重傷。
 この大学生には高校1年生の恋人がいて、彼女は彼女で両親殺害するため包丁を買ったところを殺人予備容疑で逮捕された。彼女は「ふたりで暮らしたかった。邪魔な互いの家族全員を殺そうと計画していた」と話している。
 この事件を乱暴にまとめると。
 1. 男は家族を殺傷したが、女はしなかった。男はやっぱり馬鹿である。
 2. 殺傷されたのは、すべて犯人の身内。迷惑を被った他人はいなかった。良かった良かった。
 3. 女子高校生の家族、生きた心地せず。
 と、乱暴にまとめてオシマイ、それでいいような事件とも思っていた。ところが後日、女子高校生がホームページで猟奇的な日記を公開していたことが判明。何とも重く暗い気分になった。
『禁忌の接吻――婦女子の悦び』という、そのサイト。「命日に降る雨」や「破滅への恋路」などの詩、「内臓狂想曲」と題された日記に加えて、「流血写真館 発熱! 解体ショー」と銘打った5日間にわたるリストカットの実況中継もあったそうな。
 彼女が昭和初期に生まれていたら「天下の鬼才」として文学界に名声を轟かせたことは間違いない。しかし悲しいかな、今は21世紀。彼女の吐いた言葉はヴィジュアル系ロックなどからの「借り物」だとわかる。
 もちろん、言葉が借り物だからと、彼女が抱えていた感情モロモロまで借り物扱いはしない。本当なら上手く言葉にできないはずの、思春期のモヤモヤ・グジャグジャ・ゲロゲロまで借り物の言葉で語れてしまう時代なんだなあ、またそのモヤモヤ以下略をインターネットで全世界にパフォーマンスできてしまう時代なんだなあと、切なくなっただけ。

 ファンタジーS。巧発進コスモキャンドルと拙発進スイープトウショウ、初手から数馬身差。コスモの鞍上は長谷川浩大19歳、あまりの好発に「あららら」と自身が戸惑ってる風で初々しかった。そこへいくと角田晃一32歳はさすがの度胸で大外一気。と言うか、優勝インタビューで「スタートで出し過ぎるよりも、ゆったり競馬をさせてあげたい」と肯定していたから、ちょっと驚いた。
 スイープトウショウは美少女である。
 どっこい、ツルマルガールも美少女である。タイプは全然違うけど。
 とか言いつつ、末脚の破壊力に絶大なる自信を持つ競馬は同タイプ。前が壁になったシスター、大外をカッ飛んできたスイープ、今回は明暗を分けたものの、さて次の対戦はどうか。燃えるライバル関係を築いてほしいが、そこは2歳牝馬、彼女たちの人生にまだまだ何が待ち受けているやら。これはもう、祈るほかなし。
 10年前、20年前、スイープ&ツルマルのルックスや末脚や未来を熱く語ろうとすれば、競馬好きの知人友人を探すしかなかった。インターネットや携帯電話の普及がなければ、今でも多くの競馬者がひとり孤独に「スイープ頑張れ。せめて来年の春まで」などと願っていたはずだ。今は、ごく簡単に「スイープなんて早熟さ」とか「何の何の。同じエンドスウィープ産駒のサウスヴィグラスを見よ」とか語り合える。素晴らしい。
 ただ、人間がそれぞれ抱える外界への違和感、世界への疎外感なんてのは、インターネットを使おうが携帯電話を使おうがどうにもならないほどに重い。それを忘れてはならない。
 筆者が11番人気サマンサトウショウから勝負して3着、悶絶したマイルCSは90年だから、もう13年も前の話。サマンサの娘がタバサトウショウという名前で出てきた時は、感激した。ひとりしみじみと、スイープの活躍を願う。



アルゼンチン共和国杯の検討中に思った、ここにトシザブイがいたら!
検討なんか30秒で終わっちゃうなあ、どうせヤツから買うもんなあ!
寂しいと言えば寂しいけど、大真面目に予想するぶん、今のほうが長距離重賞を存分に楽しめてるような気も!
プラス思考で行こう!
どっちみち、馬券はマイナスだけど!

レース結果 ◆◇◆ファンタジーS (G3)◆◇◆
着順
馬名
騎手
着差
1着
スイープトウショウ
角 田
1.22.6
2着
ロイヤルセランガー
福 永
1 1/4
3着
マルターズヒート
熊 沢
1 1/2

単勝 (1) 350円 複勝 (1) 160円 (2) 150円 (10) 600円
枠連 (1−2) 1000円 馬連 (1−2) 970円
ワイド (1−2) 400円 (1−10) 2070円 (2−10) 1680円
馬単 (1−2) 1670円 3連複 (1−2−10) 8960円

レース結果 ◆◇◆アルゼンチン共和国杯 (G2)◆◇◆
着順
馬名
騎手
着差
1着
アクティブバイオ
武幸
2.31.9
2着
ナチュラルナイン
デムーロ
クビ
3着
エリモシャルマン
小 野
クビ

単勝 (13) 2110円 複勝 (13) 620円 (9) 180円 (7) 520円
枠連 (6−8) 2170円 馬連 (9−13) 4580円
ワイド (9−13) 1820円 (7−13) 4160円 (7−9) 1520円
馬単 (13−9) 13080円 3連複 (7−9−13) 21450円


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筆者プロフィール
山河 拓也 (さんが たくや)
写真 競馬ライター。1961年京都府生まれ。
雑誌「優駿」「サラブレ」等に執筆中。
 さあ今週はエリザベス女王杯。はたして「穴マリー」なる見出しを使うスポーツ新聞はどれだけあるでしょうか。俺の予想はズバリ「全紙」。ミもフタもないですね。

【山河拓也ホームページ】→ http://www4.justnet.ne.jp/~sanga/WELCOME.HTM
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