--Jockey Interview--

黒須田守のJockey Paradise

第39回 角田晃一 騎手(その1)
ミラクルはG1のときに本当に良くなる
だから他のレースから良くなって
くれればいいんですけど(笑)


今年の春競馬は話題満載だった。牡牝併せての2冠馬誕生もそうだが、極めつけは、やはり角田騎手とヒシミラクルが起こしたまさにミラクルだろう! ただ、ミラクルと馬名からもじった賛辞ばかりでは彼らに失礼だ。真の実力がなければ、菊花賞、天皇賞、宝塚記念という古馬長距離の最高峰の座は手に入れられないはず。それを演出した角田騎手にヒシの春を振り返ってもらうぞ!
 

福永祐一騎手
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ゲートを出て真っ直ぐのほうがいいですね

――天皇賞のあとに安田記念に向かうという話があったじゃないですか。
角田 勝つとか負けるとかよりも、1600mを使ったらスピードに少しは対応できるようになるかもしれない、ということですよね。馬もいくらかやる気になってくれるかなという感じで。何しろタフな馬ですから、安田を使って宝塚に行っても大丈夫でしょうし。

――僕は、東京競馬場の長い直線がヒシミラクルに向くのではないかと思って、安田記念に出るのは面白いなあと。
角田 たしかに長い直線は合うとは思うんですけど、それよりもゲートを出て真っ直ぐのほうがいいですね。

――4コーナーのポケットからスタートですからね。ああ、なるほどなあ。
角田 逆に言えば有馬記念はゲートを出るとすぐにカーブで、それで馬群のなかに飲み込まれてしまって、そこから行こうと思っていっても中途半端な位置になってしまう。いちど後ろに下げてから外に出さなければ、というリスクもありますしね。しかも去年の有馬記念のときは、スタンド前を通過してもずっとスローペースで、ところが2コーナーから一気に早くなったじゃないですか。そうなったら、もうダメなんですよね。いざゴーサインを出してもなかなか反応してくれない。有馬記念は去年が初めてだったんですけど、何にもできなくて終わってしまった。

――となると、秋のG1ではジャパンCがスタンド前からの発走ですよ。
角田 そうですね。天皇賞の2000mも、ゲートを出てから少しは直線になったと言われてますよね。まだどうなっているのかはわからないけど。

――被せられないためには、外枠に入ったらいいんじゃないですか?
角田 うん、そうなったら、あまりそういうのには気にしなくていいんですけど。

――本当は府中2000mは外枠不利と言われてるんですけどね(笑)。。
角田 そうですけどね(笑)。

――なるほどねえ。ともかく、阪神JFを見ていたら、桜花賞はピースオブワールドで決まりですね?
角田 アハハ。僕も見る立場だったら、そう思うだろうな(笑)。

(次回は話題の宝塚記念。ゴーサインはどこで出した?)

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取材後記

 上半期の話題を一気に独占してしまった宝塚記念の「ヒシミラクル2億円男」。その立役者となったのが、角田晃一だ。昨年の菊花賞を勝った直後以来、2度目の本欄登場である。
 例の宝塚記念で、僕の中で引っかかったコメントがあった。それは、2億円男について「僕らよりも勝負師かもしれませんね」と語ったもの。1222万円をヒシミラクルの単勝一本に突っ込んで、見事的中させたのだからたしかに彼も勝負師だが、僕は角田のレースっぷりからも同じことを感じるのだ。
 前回登場の折にも「騎乗の際のポリシー」という設問に「全部のレースで勝ちにいきたい」と語っていたように、角田の騎乗ぶりには勝利への飽くなき執念が垣間見える。それは時に大敗というリスクを負うけれども、そういった困難から逃げない人を勝負師というのではないか。負けて傷つくことを怖れず、ひたすら勝利を得ようとする姿勢を持つ人だ。
 それは、ヒシミラクルのレースぶりにも重なるところがある。
「ヒシミラクルを見てると、負けるときは惜しい負け方じゃないですよね」
 そう角田も笑ったが、それでもG1をキッチリと勝ち切るのがヒシミラクルなのだ。この馬にも勝負師の気配を感じる。
 僕らは今、類い稀なる勝負師同士の名コンビに出会った。2億円ばかりに目が向けられているが、角田とヒシミラクルのタッグチームから目を離してはいけない。なぜなら、こういった勝負師こそが競馬を面白くするからだ。




筆者プロフィール
黒須田守
1968年長野県生まれ。フリーライター&エディター。編集プロダクション「(有)田中工業」取締役。
 先日、休暇を取って友人と温泉に行ってきた。ここの露天風呂はなんと混浴。ま、おばちゃんばっかりでしたが。ところが、ビール飲んで酩酊して、深夜にもう一度露天風呂に行くと、誰もいないと思っていた浴場に若人のカップルが! 僕に気付くと、すぐに背を向けて、短時間で出て行ってしまった。酔っ払ったハゲデブのおっさんが雰囲気壊して、正直スマンかった。お二人に幸あれ。

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