プロフィール
浅田知広
浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年埼玉県生まれ。
夕刊紙のレース部から競馬データベース会社を経てフリーに。著書に「馬単対策本部」他。優駿、Furlong、サラブレなどに原稿を執筆。


過去のコラム
第42回
札幌で成績を伸ばす厩舎は?
第41回
夏の3連単必勝法
第40回
見習い騎手の狙い方
第39回
夏の降級馬に注意!
第38回
2年目種牡馬ってどう?
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データの宝石箱 浅田知広 データの宝石箱 浅田知広

第43回 (2008/9/6更新!)
夏競馬は最終週に何かが起きる!?


SAMPLE
担当ピケからの質問⇒
「 9月とはいえまだ夏競馬。秋競馬を前に、こなれた小倉や新潟、札幌で
  ひと山当てたいけど、お得な情報ってある?」

  今週で夏の新潟、小倉開催も閉幕。もちろん「馬」の注目は両2歳Sだが、騎手については「○○騎手が夏の××リーディングを賭け……」などという話題も上がってくるものだ。

 さて、そういった騎手は馬券の狙いとしてはどうなのか。俗に「馬7人3」と言われるように、騎乗馬に恵まれなければ、いくら鞍上が気合いを入れようとも成績はそう簡単に伴わないはず。とはいえ、その夏好調だった騎手が最終週にかぎって成績を落とすとも考えづらいところだ。そこで今回は、ここ3年の各場最終週における騎手成績を調べてみたい。

表1 本年の夏競馬騎手成績
場所 騎手名 1着 2着 3着 着外 勝率 連率
新潟
1
内田博
19
16
14
71
15.8%
29.2%
2
松岡
19
8
4
67
19.4%
27.6%
3
蛯名
14
8
7
71
14.0%
22.0%
小倉
1
小牧太
15
8
9
66
15.3%
23.5%
2
武豊
14
7
7
39
20.9%
31.3%
3
岩田
12
9
7
33
19.7%
34.4%
北海道
1
安藤勝
34
14
21
63
25.8%
36.4%
2
三浦
27
24
16
156
12.1%
22.9%
3
横山典
26
19
17
95
16.6%
28.7%

 まず、本年夏の各場(北海道は函館、札幌通算。来週以降も札幌開催)リーディングは(表1)の通り。小倉2位の武豊騎手に騎乗停止や海外遠征があったり、同3位の岩田騎手が最近は主に札幌で騎乗するなど、必ずしも各場で高勝率、連対率の騎手が勝ち鞍も上位というわけではないものの、新潟、小倉は「最終週の結果如何では……」という僅差になっている。

表2 夏の新潟開催における騎手成績
〜8月末通算 最終週(9月1週)の成績
騎手名 1着 2着 3着 着外 勝率 連率 1着 2着 3着 着外 勝率 連率
2007
1
田中勝
13
6
13
55
14.9%
21.8%
1
4
0
2
9
26.7%
26.7%
2
後藤浩
12
19
12
64
11.2%
29.0%
3
3
0
2
8
23.1%
23.1%
3
吉田隼
12
14
9
71
11.3%
24.5%
4
2
3
1
12
11.1%
27.8%
6
北村宏
8
5
9
87
7.3%
11.9%
2
3
4
2
11
15.0%
35.0%
2006
1
蛯名
23
16
9
80
18.0%
30.5%
1
5
2
0
11
27.8%
38.9%
2
武豊
13
13
12
85
10.6%
21.1%
16
0
2
0
8
0.0%
20.0%
3
岩田
13
10
15
97
9.6%
17.0%
6
2
0
0
10
16.7%
16.7%
武豊
騎乗なし
2
5
1
0
9
33.3%
40.0%
6
吉田隼
11
11
13
99
8.2%
16.4%
3
2
2
2
13
10.5%
21.1%
2005
1
田中勝
26
17
10
92
17.9%
29.7%
1
5
3
2
11
23.8%
38.1%
2
柴田善
16
10
13
78
13.7%
22.2%
3
2
3
0
12
11.8%
29.4%
3
後藤浩
15
19
11
63
13.9%
31.5%
2
3
3
1
10
17.6%
35.3%

 では、過去3年の傾向について、まずは新潟から。05年は第7週までの上位3人が最終週も好成績。昨年も北村宏騎手が最終週に3勝2着4回の成績で2位(最終週のみの成績)に食い込んだものの、上位だった田中勝、後藤、吉田隼の各騎手も4〜2勝と、それぞれ夏の実績通りの好結果を残した。

 その一方、一昨年(06年)は1位だった蛯名騎手が最終週も5勝を挙げたものの、最終週に転戦してきた武豊騎手も同じく5勝。その分、他の上位騎手はやや成績を下げた印象だ。ただ、3年間を総合してみれば、やはり「その夏の上位騎手は信頼できる」と言えるだろう。
表3 夏の小倉開催における騎手成績
〜8月末通算 最終週(9月1週)の成績
騎手名 1着 2着 3着 着外 勝率 連率 1着 2着 3着 着外 勝率 連率
2007
1
武豊
27
8
6
20
44.3%
57.4%
1
3
3
1
7
21.4%
42.9%
2
川田
13
8
5
53
16.5%
26.6%
8
1
3
3
6
7.7%
30.8%
3
和田竜
10
15
10
80
8.7%
21.7%
5
2
0
0
16
11.1%
11.1%
9
鮫島良
4
4
5
51
6.3%
12.5%
2
3
0
0
12
20.0%
20.0%
5
6
9
8
76
6.1%
15.2%
3
2
1
4
13
10.0%
15.0%
2006
1
和田竜
17
12
10
84
13.8%
23.6%
2
3
1
2
13
15.8%
21.1%
2
武豊
15
10
11
34
21.4%
35.7%
騎乗なし
3
太宰
13
5
6
44
19.1%
26.5%
12
1
0
0
14
6.7%
6.7%
6
川田
11
12
8
78
10.1%
21.1%
1
3
3
1
15
13.6%
27.3%
17
鮫島良
3
5
7
76
3.3%
8.8%
3
3
1
1
13
16.7%
22.2%
2005
1
武豊
18
12
8
29
26.9%
44.8%
2
3
2
0
2
42.9%
71.4%
2
小牧太
15
10
15
71
13.5%
22.5%
1
4
4
1
12
19.0%
38.1%
3
安藤勝
14
13
3
59
15.7%
30.3%
3
2
3
1
10
12.5%
31.3%

  続いて小倉。こちらは05年こそ上位3名が最終週も勝ち鞍上位を独占しているものの(武豊騎手は1日のみの騎乗)、一昨年、昨年は1〜3位騎手で上位に入ったのは、両年でトップだった和田、武豊の2名のみ。もちろん一昨年は武豊騎手が抜けた影響もあるだろうが、2年とも最終週に活躍を見せた鮫島良騎手など、新潟に比べると前週までの上位騎手がそのまま信頼できるとは限らない印象が強い。比較的「すんなり」に近い新潟よりは、混沌としていると言えるだろう。

表4 北海道開催における騎手成績
〜8月末通算 1回札幌最終週(9月1週)の成績
騎手名 1着 2着 3着 着外 勝率 連率 1着 2着 3着 着外 勝率 連率
2007
1
藤田
41
30
27
113
19.4%
33.6%
1
6
0
1
13
30.0%
30.0%
2
横山典
30
21
15
84
20.0%
34.0%
2
3
2
1
10
18.8%
31.3%
3
岩田
22
9
11
68
20.0%
28.2%
3
2
3
4
13
9.1%
22.7%
2006
1
藤田
32
32
33
113
15.2%
30.5%
4
2
5
1
13
9.5%
33.3%
2
横山典
23
24
13
104
14.0%
28.7%
騎乗なし
3
安藤勝
19
19
9
66
16.8%
33.6%
8
1
1
0
3
20.0%
40.0%
4
岩田
18
13
9
48
20.5%
35.2%
1
3
4
2
13
13.6%
31.8%
8
武幸
15
11
6
88
12.5%
21.7%
2
3
4
0
4
27.3%
63.6%
10
北村宏
8
5
9
68
8.9%
14.4%
3
3
1
1
15
15.0%
20.0%
2005
1
藤田
31
26
30
113
15.5%
28.5%
3
2
5
5
9
9.5%
33.3%
2
横山典
29
31
13
79
19.1%
39.5%
1
8
1
0
10
42.1%
47.4%
3
蛯名
23
16
17
116
13.4%
22.7%
4
2
4
0
11
11.8%
35.3%
4
四位
19
14
20
103
12.2%
21.2%
2
3
2
3
8
18.8%
31.3%

 最後に、来週以降も開催が続く札幌(北海道)も参考までに。05年と昨年は前週まで上位の騎手がそのまま上位。一昨年は大きな変動が見られたが、この年は2位だった横山典騎手が土日とも騎乗なし、そして3位の安藤勝騎手も1日のみの騎乗であった。また、1位だった藤田騎手は2勝止まりとはいえ、2着5回で計7連対、連対率は33.3%の好成績。新潟以上に、この週の札幌では「北海道リーディング」上位騎手は信頼が置けると言えそうだ。

 以上をまとめると、全体的にその夏のリーディング上位騎手は信頼でき、特に札幌、新潟は文句なし。小倉は(騎手ランキング的には)「ひと波乱」の可能性がある、というところだろうか。

 ただ、今年は小倉、札幌と転戦していた岩田騎手が、日曜にどうやらセイウンワンダー(新潟2歳S)で新潟に参戦する模様だ。上位騎手が不在になると、お手馬がそのまま他の上位騎手に渡るとはかぎらず、厩舎と騎手の繋がりにも左右されるもの。この週に上位騎手の転戦が多く見られた06年は各場とも4位以下から勝ち鞍を伸ばした騎手がおり、今年も岩田騎手がいなくなる札幌、そして参戦する新潟は、先週までの傾向とは違った結果もあり得るので要注意だ。

 

浅田のズバッと結論!?
  • 新潟、札幌は夏のリーディング上位騎手をそのまま信頼すべし!
  • 小倉は最終週にひと波乱も?
  • 上位騎手の転戦に影響に要注意!
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