
騎手の宿命とは
騎手だけをみて馬券を当てる
当コラムを通して、これが可能であることを示したい。調教の良し悪し? パドック? タイム? 展開? 血統? それらはあえて一切見ない。確認するのは「そのレースに出ている騎手は誰か」だけ。正真正銘、唯一無二の“騎手特化馬券術”である。
例えば、こんな質問があったとする。「現在の中央競馬の騎手トップスリーを挙げよ。」答えは競馬ファン満場一致で、武豊・岩田康誠・安藤勝己になるはずだ。現在の中央競馬は3人を中心に回っている。馬券を買うファンは、自分の気になる馬に3人がまたがっていたら、他の騎手が乗っているとき以上に意識する。これは紛れもない事実だ。では、常にこの3人が勝利するかと言えば、答えはNO、負けることのほうが圧倒的に多い。だからこそ誰もが悩むのだが、そんな必要はなにひとつない。なぜなら、決まっているからだ。

これは“馬券になる騎手、ならない騎手がわかるパターン”と言い換えてもいい。 例えば京都芝コースなら、
「3強がそろったレースで勝つのはアンカツ」
「ユタカと岩田の一騎打ちなら勝つのは岩田」
「ユタカとアンカツのサシの勝負なら勝つのはユタカ」
これが現在の3強の関係、パワーバランスだ。
もちろん、すべてのレースでそうなるわけではないが、こういった傾向になりやすいといえる。なぜなら、彼らはそうなる宿命にあるからだ。“宿命”などという言葉を用いると、なにやらオカルトなイメージを抱いてしまうかもしれない。だが、この“宿命”が仮説や妄想でないことは、数字によってしっかり裏付けられている。すべては、動かざる事実としてデータが証明している。3強が来ないとき、どんな穴騎手が馬券に絡むかもデータでわかる。そこには理由があり、そうなる宿命であると言い切れる証拠がある。究極的な話をすれば、「3強のうち誰を買えばいいのか」と「どんな条件のときに、誰が3強を負かすことができるのか」がわかれば馬券で勝てる。
基本的に、この馬券術は競馬場単位に攻略するものである。その土地、その競馬場での傾向がわかり、騎手たちに与えられた宿命も知ることができる。そして“馬券の勝ち方”が見えてくる。関東のレースでは、横山典弘、後藤浩輝、蛯名正義、柴田善臣、田中勝春。彼らのパワーバランスや買い時、消し時、すべてはデータに表れる。北海道の藤田伸二も、ローカルの中舘英二もドンと来い! 攻略法はハッキリしているからだ。それでは当コラムにて、騎手特化馬券術の威力を見ていただきたい!
騎手の宿命の予想手順
1.競馬場ごとの主力騎手A~D(近3年の複勝数上位4人)を確認する(重賞は、重賞の主力騎手を確認)
例えば京都芝コースの主力騎手は、

となる。
2.「主力騎手3人」の出走状況から「騎手パターン」が決まる。
A 武豊が出走ならAを選ぶ
↓
B 福永祐一が不出走なら選べない
↓
C 岩田康誠が出走なら2人目にCを選ぶ
↓
D 安藤勝己が出走なら3人目にDを選ぶ →「ACDパターン」
(3人選んだらXは関係なし。もし主力騎手がA武豊だけ出走ならAXXパターン、誰も出走していなければXXXパターンとなる)
3.当競馬場の騎手パターンの戦績確認→騎手だけの予想で高配当を狙う!
例は【A武豊-C岩田康-D安藤勝】パターンとなり、「ACDパターン」における全騎手の戦績(単勝数・勝率・単勝回収率・複勝数・複勝率・複勝回収率)から予想していく。戦績には主力騎手(ABCD)も含まれるが上位に並ぶとは限らず、意外な騎手が好成績で穴騎手に推奨されるレースも多い。
アメリカJCC(G2) 中山・日曜11R 芝2200m
| 予想印 | ||
| ◎ | (10) | 勝浦正樹 |
| ○ | (3) | 横山典弘 |
| ▲ | (13) | 蛯名正義 |
| △ | (2) | 武豊 |
| △ | (6) | 後藤浩輝 |
| △ | (11) | 池添謙一 |
| △ | (12) | 田中勝春 |
| 買い目 | ||||||
| 馬連(15点) | フォーメーション | |||||
| 1頭目 10、3、13 2頭目 10、3、13、2、6、11、12 |
||||||
| 3連複(31点) 3連単(90点) |
フォーメーション | |||||
| 1着 10、3、13 2着 10、3、13、2、6、11、12 3着 10、3、13、2、6、11、12 |
||||||
騎手パターン

| 重賞の主力騎手 |
(同条件での複勝数)
|
出走状況 |
| A 武豊 | (83回/近3年) |
○ |
| B 安藤勝己 | (72回/近3年) |
× |
| C 岩田康誠 | (68回/近3年) |
× |
| D 福永祐一 | (52回/近3年) |
× |
| X その他 | ○ | |
| 重賞 AXXパターン | ||

当パターンの騎手成績 |
||||||||
| 騎手 | 件数 | 単勝数 | 勝率 | 単勝回収率 | 複勝数 | 複勝率 | 複勝回収率 | |
| ◎ | 勝浦正樹 | 2 | 0 | 0.0% | 0.0% | 2 | 100.0% | 205.0% |
| ○ | 横山典弘 | 5 | 1 | 20.0% | 62.0% | 2 | 40.0% | 84.0% |
| ▲ | 蛯名正義 | 4 | 1 | 25.0% | 42.5% | 2 | 50.0% | 117.5% |
(勝率10%以上、複勝率30%以上、回収率90%以上は赤字)
【解説】真中の読み
重賞で主力騎手が武豊しかいないAXXパターン。ユタカは、当パターン12回の騎乗だが、1着が1度もない。そこで関東3騎手を軸とする。◎勝浦正樹は、騎乗数が少ないものの複勝率100%。当パターンは優秀な成績、乗り慣れたグラスボンバーとのコンビで一発を期待する。もうひとりの穴騎手▲蛯名正義は、騎乗馬チェストウイングに鉄砲実績あり、立て直した初戦は注意したい。
平安S(G3) 京都・日曜11R ダ1800m
| 予想印 | ||
| ◎ | (6) | 安藤勝己 |
| ○ | (12) | 川田将雅 |
| ▲ | (9) | 岩田康誠 |
| △ | (16) | 福永祐一 |
| △ | (2) | 小牧太 |
| △ | (7) | ルメール |
| △ | (3) | 佐藤哲三 |
| 買い目 | ||||||
| 馬連(15点) | フォーメーション | |||||
| 1頭目 6、12、9 2頭目 6、12、9、16、2、7、3 |
||||||
| 3連複(31点) 3連単(90点) |
フォーメーション | |||||
| 1着 6、12、9 2着 6、12、9、16、2、7、3 3着 6、12、9、16、2、7、3 |
||||||
騎手パターン

| 重賞の主力騎手 |
(同条件での複勝数)
|
出走状況 |
| A 武豊 | (83回/近3年) |
× |
| B 安藤勝己 | (72回/近3年) |
○ |
| C 岩田康誠 | (68回/近3年) |
○ |
| D 福永祐一 | (52回/近3年) |
○ |
| X その他 | × | |
| 重賞 BCDパターン | ||

当パターンの騎手成績 |
||||||||
| 騎手 | 件数 | 単勝数 | 勝率 | 単勝回収率 | 複勝数 | 複勝率 | 複勝回収率 | |
| ◎ | 安藤勝己 | 13 | 2 | 15.4% | 80.0% | 6 | 46.2% | 105.4% |
| ○ | 川田将雅 | 9 | 2 | 22.2% | 341.1% | 2 | 22.2% | 95.6% |
| ▲ | 岩田康誠 | 13 | 1 | 7.7% | 33.8% | 4 | 30.8% | 126.9% |
(勝率10%以上、複勝率30%以上、回収率90%以上は赤字)
【解説】真中の読み
重賞BCDパターンは主力3騎手の成績が優秀。その中でも勝率・複勝率が良く、回収率も高い安藤勝己を◎とする。騎乗馬マコトスパルビエロとは、前走もアンカツが騎乗して1着したように好相性。アンカツの騎手パターンのデータ的に、騎乗馬の人気(3~5番人気)は合いそう。主力騎手以外では川田将雅の回収率が高く、騎乗馬にも恵まれたので○とする。
4歳上1000万下 京都・日曜12R ダ1200m
| 予想印 | ||
| ◎ | (10) | 藤岡佑介 |
| ○ | (1) | 幸英明 |
| ▲ | (8) | 岩田康誠 |
| △ | (11) | 小牧太 |
| △ | (6) | 川田将雅 |
| △ | (4) | 秋山真一郎 |
| △ | (14) | デムーロ |
| 買い目 | ||||||
| 馬連(15点) | フォーメーション | |||||
| 1頭目 10、1、8 2頭目 10、1、8、11、6、4、14 |
||||||
| 3連複(31点) 3連単(90点) |
フォーメーション | |||||
| 1着 10、1、8 2着 10、1、8、11、6、4、14 3着 10、1、8、11、6、4、14 |
||||||
騎手パターン

| 京都ダの主力騎手 |
(同条件での複勝数)
|
出走状況 |
| A 岩田康誠 | (179回/近3年) |
○ |
| B 武豊 | (162回/近3年) |
× |
| C 安藤勝己 | (120回/近3年) |
× |
| D 小牧太 | (119回/近3年) |
○ |
| X その他 | ○ | |
| 京都ダ ADXパターン | ||

当パターンの騎手成績 |
||||||||
| 騎手 | 件数 | 単勝数 | 勝率 | 単勝回収率 | 複勝数 | 複勝率 | 複勝回収率 | |
| ◎ | 藤岡佑介 | 20 | 3 | 15.0% | 156.0% | 7 | 35.0% | 167.5% |
| ○ | 幸英明 | 59 | 7 | 11.9% | 185.9% | 18 | 30.5% | 93.7% |
| ▲ | 岩田康誠 | 82 | 18 | 22.0% | 92.2% | 42 | 51.2% | 85.1% |
(勝率10%以上、複勝率30%以上、回収率90%以上は赤字)
【解説】真中の読み
京都ダADXパターンは、藤岡佑介と幸英明の成績が優秀。○幸英明の騎乗馬トーホウドルチェは1番人気と思われ、信頼度ではコチラが上。しかしながら穴騎手として狙いたいのは、◎藤岡佑介の方だろう。藤岡佑騎手が騎乗するオオヒメは、前走を異なる騎手で敗れたが、このスイッチは鞍上強化といえそうだ。さらに当パターンの藤岡佑騎手のデータは、中穴馬で穴をあけそうな成績。オオヒメとのコンビは、データのイメージに合う。
筆者プロフィール:真中剣二(まなか けんじ)

スポーツ関連のTV番組や出版物の制作にかかわってきたことから、多くのアスリート(競馬の騎手、野球・サッカー選手など)との交流をもつ。競馬では、騎手や調教師の取材を通して得た生の情報と、独自の観点で精査したデータを融合させた馬券術を駆使して儲けている。2007年秋、雑誌「競馬最強の法則」(ベストセラーズ)の特集記事「一騎当千」にて馬券師としてデビュー。その後、単行本「全部教えます。儲かる騎手の組み合わせ」(東邦出版)を発表した。